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生活保護が却下される理由と対策|不正受給を避けるためのポイント

更新日:2025年11月12日

生活保護申請の審査をイメージした写真(書類とチェックリスト)

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「申請が却下されたらどうしよう…」「どこを直せば通るの?」――そんな不安に答えるため、よくある却下理由と対策を分かりやすく整理しました。さらに、不正受給を避けるための申告のコツや、結果に納得できないときの異議申立ての基本も紹介します。

1. よくある却下のパターン

却下には必ず理由があります。典型例は次のとおりです。

  • 書類不足や申告漏れによって、状況が確認できない
  • 世帯の収入が基準額を上回ると判断された
  • 利用できる資産・制度(雇用保険・年金等)の活用が十分でない
  • 同居家族の収入や扶養可能性が高いとみなされた
  • 居住実態や在留資格など、基本要件の確認ができない

多くは情報不足誤解に起因します。まずは原因を特定しましょう。

2. 申請前に整えておくポイント

スムーズに進めるには、次の3点を押さえると効果的です。

  • 家計の見える化:収入・支出、未払い、家賃、光熱費、医療費を簡単にメモ
  • 資産の棚卸し:通帳、現金、有価証券、解約返戻金、車などの有無と目的
  • 就労・健康の状況:働ける可否、通院・障害の有無、診断書の準備

目安を把握するには、まず保護費シミュレーションで不足額の感覚を掴むのが近道です。

3. 書類不足・不備を防ぐチェック

提出の段階でつまずくと、審査が止まる・却下に近づく要因になります。次を意識しましょう。

  • 本人確認:マイナンバーカードや運転免許証
  • 居住の証明:住民票、賃貸借契約書、家賃の支払い状況
  • 収入の証明:給与明細、年金通知、事業帳簿、振込記録
  • 預貯金の確認:通帳(過去数か月分)、口座の残高と出入金の説明
  • 医療関連:通院・治療の記録、意見書や診断書(必要に応じて)

用意できない場合でも申請は可能です。不足分は後追い提出でOK。窓口で相談しましょう。

4. 収入・資産の見落としと正しい申告

「記憶違いで未申告」「少額だから大丈夫」などの油断が落とし穴です。

  • 収入は原則すべて申告(給与・年金・手当・副業・フリマ・送金など)
  • 必要経費は説明・証明(通勤費、社会保険料、事業経費など)
  • 資産は性質を整理(生活維持に必要なものか、処分可能か)

実態に即して丁寧に説明すれば、誤解による却下を避けやすくなります。

5. 世帯認定の落とし穴(同居・別居)

生活保護は世帯単位です。実態として家計が別でも、形式上は同居家族の収入で判断されることがあります。同居だが家計が別DV・絶縁等で扶養が期待できないなどの事情は、客観的に説明しましょう。

6. いわゆる“水際対応”への向き合い方

申請権は法律で保障されています。もし窓口で相談のみを促され申請を受け付けないなどの場面があれば、落ち着いて「申請書を提出したいです」と伝えましょう。難しい場合は、家族・支援団体の同席を検討してください。

7. 不正受給を避けるためのポイント

不正受給は故意の未申告・虚偽申告などを指し、返還・制裁の対象になります。次を守ることで意図せぬ不正を防げます。

  • 収入は時期と金額を正確に(給与日・入金日・現金収入をメモ)
  • 通帳は隠さない(動きがある口座は全て提出)
  • 副業・フリマ・配達収入も記録・申告(必要経費の領収も保管)
  • 家族・友人からの支援は性質と頻度を説明(贈与・貸与の別)
  • 状況が変わったらすぐ連絡(就職、同居・別居、入出金の増減など)

8. 却下時の対応(理由開示・再申請・異議申立て)

結果に納得できないときは、まず却下理由の説明を受け、必要資料を揃えて再申請を検討します。行政処分への不服がある場合、異議申立て等の手続が用意されています。期限や様式があるため、文書の案内に従いましょう。

9. まとめ|落ち着いて、事実を整えて伝える

却下の多くは、書類不足・認識のズレ・説明不足から生じます。家計・資産・健康・就労の情報を整理し、正直に・具体的に伝えることが最善の対策です。困ったら早めに窓口へ相談し、必要に応じて支援団体の同席も検討してください。